「俺のロードバイクが泣いている」
事務所のドアを開けると、オブジェ化したロードバイクがいつも目に飛び込む。
オブジェ化歴1年半。
タイヤはピカピカだ、乗ってないから。
「このままではいけない」といつも思い続けて1年半が経った。
この後めたさを何とかしたいと思った、海江田の作戦が父にロードバイクで走ろうと誘うことだった。
思えば、3年前に父の還暦祝いに、私が父にロードバイクをプレゼントしようとしたら、自分も欲しくなって同時に購入。
父は休みの日には50キロぐらい走る強者になり、私は1年半オブジェ化させる弱者になった。
日頃、ランニングはしているとは言え、強者に1人で挑む勇気がなく、ロードバイク素人の弟を無理やり誘い込んだ。
コースは父が把握しており、9時に出発すれば12時には帰って来れるだろうという3時間コース。
強者の父が前を走り、続いて素人の弟、そして弱者の海江田という3列で走っていると、弟が父に追いつけなくなって来たので、
しばらくは弟に合わせている兄を演じながらも意気揚々と走ることができた。
バテている弟を見てコイツを誘ってよかったと心から安堵した。
コイツがいなければ、きっと、私がバテることになっていたであろうからだ。
ありがとう。弟よ。
走るコースの途中に祖父のお墓がありまして、当初は予定になかったのですが、もし私が祖父なら「おいおい、素通りかよ」と思うと思ったのと、素通りした後に無事に帰ってこれるかはわかりませんでしたが、
ちゃんとお墓参りをしたら、祖父が守ってくれるだろうと思いまして、笑
私が提案をして、お墓参りに寄ることにしました。
どうだ、この海江田の余裕の表情は。(これも弟のおかげだ)
ちなみに、お墓があるとことは、なかなかの坂道でして、ゴールした時に弟は不整脈を起こして、しばらく立ち上がれなくなったのですが、
墓地でロードバイクで追い込みすぎて、不整脈で倒れて救急車を呼ぶなんてことがあれば、超シュールだな…めっちゃ面白いな…と密かに「倒れろ」と願っていたのはここだけの話です。
お墓参りのあと「あと半分だから」と父に告げられていたのですが、その半分がほぼ上り坂という地獄を味わいなんとかゴール。
50キロ走って、1500カロリー消化したので、実家に戻って死ぬほど焼肉を奢ってもらいました。
また弟を生贄(いけにえ)の誘って行きたいと思います。






